ポイント

機械化の省力効果

体系 ご提案機械 作業時間(hr) 慣行機械 作業時間(hr)
土づくり トラクタ
ロータリ、施肥、うね立て
2.4 2.0
播種 乗用4条
(PVHR4-145SG 2人)
1.9 手植え(2人) 25.0
管理(防除) 乗用管理機(16m) 0.5 セット動噴(歩行) 1.0
収穫、運搬 歩行往復4条収穫機、ピッカー
運搬(トラクタ
6.0 手収穫、
運搬(軽トラ)
53.0

必要経費と反収の目安

10a当たりの経営収支

項目・条件 金額(円)
収入 単価77円/kg
収量5,600kg/10a
431,000
支出 種苗代 14,000
肥料、農薬 31,000
その他(出荷経費等) 176,000

収入-支出

210,000

※支出には機械・保守償却費を含みません。
※当社調べ

播種・育苗

たまねぎ【ユリ科】

ユリ科。原産地は中央アジアで、日本には江戸時代に伝わり、明治中頃北海道や大阪で栽培が成功し、普及しました。北海道では春巻き栽培、それ以外の地域では秋まき栽培が行われています。  生育適温は20℃前後で肥大には最低13℃必要といわれます。収穫後の貯蔵性が良く、一年中出荷されています。需要は多く、世代に関係なく購入されています。近年、転作でタマネギを栽培する地域が増えており、今後ますます増収が予想される野菜です。

播種・育苗

播種

定植の約60日前にpH調整、堆肥施用などを行います。
苗床・・・うね幅1.2~1.5m
条播・・・条間6~10cm
株間5~10mm
深さ8mm
その後かん水し、ワラなどで被覆します。

育苗

播種後一週間程度で発芽。ワラを除去し、苗床が乾かないように水管理、間引き、追肥します。病気に強い健全な苗のため苗丈20cm程度になるように数回葉切りします。

苗形状

機械移植時は図のような苗を準備してください。育苗中は草丈が伸びると倒伏するため、倒伏する前に草丈約20cmに「葉切り」作業を行ってください。

■慣行苗

■セル苗

耕うん・うね立て

うね立て

地域によって様々なうね形状があるので、栽培体系に応じて機械を選択してください。うね幅140cm程度で、うね高さ25cmの4条植えマルチ栽培が主流です。

きれいに植付けるためのうね面

砕土が悪くうね面に凹凸があると、植付け深さが一定にならない、土寄せが不十分で姿勢が悪くなる、植付後に風で苗が倒れる不具合が生じることがあります。

アッパーローターで耕うん

一般的なうね形状

1畦4条体系、露地・マルチ栽培
代表地区:兵庫県、山口県
適応機種:PVHR400-145T2D・TD PVH200-145WZL3A・H
1畦4条体系
代表地区:佐賀県
適応機種:PVHR400-145T2D・TD PVH200-145WZL3S

移植

  • 栽培体系(1畦1条なのか?1畦4条なのか?条間は?)に合わせて機械を選択しましょう。
  • 深植えすると翌春の生育が著しく悪くなる。目安は苗の半分くらいまで植える。

「半自動」と「全自動」、「歩行型」と「乗用型」の違いについて

■苗補給の違い

  • 半自動タイプ
    人の手でカップに苗を一つずつ入れていきます。
    良い苗を作業者を選びながら入れていくことができます。
  • 全自動タイプ
    セルトレイを移植機にセットしたら、自動的に移植機が苗を植え付けていきます。
    苗が無くなったら作業者はセルトレイをセットして移植機について歩くのみです。

■歩行型と乗用型の違い

  • 歩行型タイプ
    苗を植えている移植機について歩いていくタイプです。
  • 乗用型タイプ
    移植機に乗車して、座りながら苗の植え付けを行えるタイプです。

管理・防除

施肥

施肥機などを利用して条播き。マルチ栽培の場合、全量を基肥えとして施用する。収穫後の腐敗を避けるため
3月下旬ごろで追肥を最後に行います。

防除

べと病は秋冬に感染するので、春先に感染した株を抜き取り、べと病発病前の3月~4月の間に薬剤を散布します。
肥料の与えすぎによる軟腐病に注意してください。

収穫

葉が倒伏してきたら収穫のタイミング。
たまねぎ収穫機とたまねぎピッカーを併用することで重労働からの解放、効率UPにつながります。

たまねぎ収穫の流れ

■たまねぎピッカーミニコンテナ仕様

空コンテナを45個搭載できるため、連続作業性能が高く効率的です。

■たまねぎピッカー鉄コンテナ仕様
運搬車を伴送させ、拾い上げたたまねぎをリフトコンベアで直接鉄コンテナに収容します。
ピッカー追従セットを準備することで、運搬車がピッカーについてくるので便利です。

アシストスーツとは

重量物を持ち運ぶ際に、腰の負担を軽減し、また、中腰作業をより楽にするような働きをしてくれます。

▲マッスルスーツEvery
▲実際にアシストスーツを使用しての作業の様子

タマネギの貯蔵法

つり玉貯蔵

収穫後のタマネギは一定期間休眠に入ります。淡路島では10玉程度束ねたものを2つ作りそれをさらに束ねて、風通しの良い小屋でつるし貯蔵します。

ハウス乾燥貯蔵

葉の部分を少し残して切り取ります。その後、畑で半日乾燥させ、コンテナに詰めてビニールハウスに4~5段積んで貯蔵します。湿気に注意し、コンテナの下にはパレッドを敷き、一番上には日光が当たらないようにワラなどで覆います。乾燥後は風通しの良い倉庫で保管します。

調整・包装

根と茎葉部を切り取り、土を落として乾かしてから、規格に応じて選別し、袋や箱に詰めて出荷します。